成田山新勝寺 断食修行とは

千葉県成田市にある成田山新勝寺の断食修行の目的は、「お不動さまの御加護のもと、不動の信念と心身の鍛練を体得すること」とされており、初代市川團十郎さんも断食修行され、跡継ぎの男の子を授かったそうです。

私も断食修行の後、大変ありがたいことに、お不動様のご加護がありました。

 

まず電話で申込み

電話しても、次の日からとか、すぐには修行はできません。

 

まず何泊何日が、希望かを聞かれました。

私が、「6泊7日が希望です。」というと、「初めての方は、3泊4日までです。」と言われたので、「では、3泊4日でお願いします。」と言いました。

 

次に希望の日を聞かれましたが、「いつでも結構です。」というと、10日ぐらい先の日に決まりました。



申込の際に、告げられる幾つかのしきたり

  • お寺に行く前に、朝8時ごろに藤倉クリニックに行って、健康診断書をもらうこと
  • その後すぐに、朝9時までに、お寺に来ること
  • スマホ、PC、デジカメなどの持ち込み禁止 (以前は、デジカメは持ち込んでも良かったそうです。)
  • 持ち物は、着替え、筆記用具、健康保険証、タオル、体を拭くためのウェットタオルの他、空のペットボトルは、部屋から出ているときも、水を飲むために必須です。
  • 本などの持ち込みも禁止で、修行中、仕事や勉強をしてはいけないからという理由からだそうです。
  • お風呂は、修行中の4日間、入れません

 

3泊4日での料金は、いくらかかるのか

2泊3日で5,000円、1泊増えるごとに1,000円かかります。

お寺の支払いは、3泊4日だと6,000円です。

藤倉クリニックの健康診断書の支払いは、3,330円で、合計9,330円になります。

大阪から、交通費を往復考慮しても、30,000円かかりませんでした。

行きは高速バス利用、帰りは、格安航空、peachで帰りました。

 

いよいよ、大阪から成田山に出発

前泊して、いらない宿泊費を出費したくない私は、交通手段は、早朝に到着する夜行バスを選びました。

前日の夜、なんば出発、朝7時前に成田空港に到着しました。

ほとんど、バスでは眠れず、修行前から、座りっぱなしで腰も痛いし、クタクタでした。

最寄り駅の京成成田駅を通り過ぎて、成田空港に向かった理由

成田空港に向かったのには、断食修行の辛くて厳しいしきたり、スマホ持ち込み禁止のためです。

駅のコインロッカーは、3日までしか預けられず、空港のコインローッカーなら、最長8日間、預けられるからです。

空港のコインロッカーなら、3泊4日預けられます。

初めての地で、スマホ無しは、かなり不安でした。

この時点で、7時15分ぐらい、「さぁ、藤倉クリニックに8時までにいかないと」

家でプリントしてきた、地図を持って、不安なまま、京成成田駅を目指しました。

もちろん、家族の電話番号のメモも、持って行きました。

あーっ! スマホが無いって!!不便で不安です(-_-;)

 

成田は大阪より寒い

2017年10月17日、京成成田駅について、あまりの寒さに驚きました。

気温は、大阪より5度は低いと思いました。

いや、8度とか、下手したら10度ぐらい低いのでは、と思いました。

雨が降っていたせいか、それぐらい、体感温度は低かったです。

 

成田の人たちの装いは、ブーツにコート、もう冬の装いでした。

大阪の秋の装いの私は、初日から寒さに震えました。

 

薄手の秋用の上着を着ていましたが、かろうじて、大判のストールを持参していました。

ストールを羽織って、成田駅から、プリントしてきた地図と傘を持って、藤倉クリニックに向かいました。

雨も降っていて、冷たく寒い成田は、これから始まる断食修行の厳しさを予告しているかのようでした。

 

藤倉クリニックに到着

少し早く着いたので、病院の前で、開くのを待ちました。

寒いし、荷物は重いし、雨の中、待つのは辛かったです。

 

到着してから15分か20分ぐらい待ったでしょうか、ようやく病院が開きました。

椅子に掛けて待っている間に、同じように、断食修行を受けられるという女性の方が、来られました。

 

尿検査と血圧を測って、問診と診察を受け、無事に診断書をもらって、プリントした地図を片手に、新勝寺に向かいました。

病院で一緒だった女性も、同じように新勝寺に向かいました。

 

いよいよ断食修行スタート

お寺に着いてから、数メートル先を歩いていた、その女性と一緒に、入堂しました。

お寺の方は、私が、大阪から夜行バスできたことを聞き、「もうバスの中から修行ですね。」と、おっしゃられました。

 

参籠(さんろう)道場の玄関を入ると、昔懐かしい針のある、アナログの大きな体重計がありました。

体重計のそばに、洗面所、奥にトイレがありました。

 

参籠(さんろう)道場には、先におられた女性が一人いらっしゃいました。

断食で体がしんどそうで、ずっと布団で寝ておられました。

 

玄関を入って左の廊下を進むと、部屋があり、トイレや洗面所からは、廊下と壁で独立していて二間続きで、6人まで修行できるようになっていました。

机と布団が、人数分用意されています。

布団は、入堂後すぐに自分で敷きました。

布団は、敷きっぱなしで、硬い敷布団と、掛毛布、掛布団は硬くとても重たく、寝返りを打つのは困難です。

 

初日は、先におられた方と、病院から一緒だった方と私の3人で、いよいよ断食修行スタートです。

 

ただ、水のみ飲む、食べるものは一切禁止

用意された急須と湯のみで、参籠(さんろう)道場の蛇口から出てくる、新勝寺の井戸水のみを飲み、時間ごとに「正ちゃんマーク」を付けて、水を何杯飲んだか把握し、翌朝5時にお寺の方に報告します。

荷物を置いて、ゆったりとした裏起毛のトレーナーに着替えて、ひと段落したら、境内を散歩することにしました。

成田山新勝寺の境内と成田山公園

今日から4日間、毎日、境内と公園を、せっかく成田山新勝寺まで来たのだから、見逃すことなく、くまなく見て回ることにしました。

ペットボトルに急須の水を入れて、部屋を出ました。

もともと、お城や、お寺、神社等の史跡巡りが好きな私にとっては、楽しい4日間でした。

 

毎朝、たくさんあるお堂を、一つずつお参りし、公園内にある滝や、池に居る鯉を見て回り、美術館の脇にある水琴窟の音色を楽しみ、秋の境内と公園の景色を楽しみ、お腹が空いていることを、散策していれば、忘れられました。いや、忘れられると思い込みたかったのかもしれません。

 

成田山総門横に沢山、亀がいる池があって、その池の中には、亀の形をした石が2つあり、お金を投げて、その石の上にお金が乗ったら、願い事が叶うのだそうです。

不器用な私は、何度投げても石の上にお金が載らず、小銭を散財し、ようやく石の上にお金が乗ったと思ったら、石の上にいる亀に、せっかく乗ったお金を後ろ足で蹴られ、池に落とされてしまいました。

 

初日は辛かったのが、だんだんと食べないって、食べることに時間を取られることもなく、ゆっくり時間が流れていいなあ、とすら考える余裕ができました。

何よりも、ごはんの用意や、今日の夕飯何しよう、なんて考えなくても良いことが、嬉しかったです。

だんだん、食べ物のことを考えなくなりました。いや、考えないようにしていました。

 

朝5時の報告と朝の御護摩祈祷

朝5時になると、水を飲むたびに「正ちゃんマーク」を付けていた水分摂取確認表をもって、お寺の方に報告に行きます。

そして、部屋に戻って、歯磨きと顔を洗って、お風呂には入れないので、トイレに入り、使い捨てのウェットタオルで体を拭き、着替えて、本堂で行われる御護摩祈祷の参拝の準備をします。

 

御護摩祈祷には、観光で成田に来られた外国人の方も多くおられ、たくさんの方が参拝されます。

何十人もの僧侶の方が一斉に、お経をあげられ、大きな太鼓の音が、お堂全体に振動となって体に響き渡りました。

そして、御護摩の火が、炎となって高く上ります。

とても荘厳で、体にピンとした緊張感が走りました。

 

沢山の参拝者の方が、御護摩の火にあててもらって、ご不動様の御利益を頂くために、カバンや財布など大切なもの手に持って並びます。

私も、3日間のうちに、財布、カバン、眼鏡を火にあてていただきました。

 

4日目の最後の朝の御護摩祈祷は、なぜか涙が出ました。

やり遂げた安心からか、荘厳さからの感動の涙なのかは、自分でもわかりません。

 

護摩祈祷が終わり本堂を出ると、「断食修行の方ですか?」と、女性が私たちに声を掛けてこられました。

その方は、以前に、新勝寺断食修行で、こちらに来られ、ご縁があって、お寺のすぐそばに、お嫁に来らたそうです。

 

今日は、自分で家で断食修行をしていて、本堂にお参りに来られたそうです。

家で?断食修行? 意志の弱い私には、絶対、真似できない、と思いました。

意志の固いお方だと、感心しました。

それにしても、こちらでご結婚されるとは、ご不動様のご利益はすごいと、感心しました。

 

二日目の写経

二日目の朝に、お寺の方に、写経をさせてほしいとお願いしました。

快諾くださり、同じ部屋の三人とも、写経をさせていただきました。

断食修行の人は、写経も無料でして頂けます。

知らない難しい文字が並び、書き写すだけでしたが、大変でした。

お経が、だんだん身近になってきたのを感じました。

 

15時 お坊さんからのお話と、お経

私が修業した3泊4日は、お寺の行事と重ならなかったからか、3日間、毎日、15時になると、毎日違うお坊さんが、おひとり来られ、断食修行をしている男女一緒に、お話をして頂いたり、聞いていただいたり、お経をあげました。

男性は、たしか4人おられたと思います。

以前修行されていた方から聞きましたが、3日間ずっと、15時の行事をしてもらえたのは、とてもラッキーだそうで、お寺の行事が重なったりすると、してもらえないこともあるのだそうです。

 

15時の行事の後から、18時の門限までの過ごし方

とにかく、部屋にいるなんて勿体ない、と思っていたので、再び門限まで、境内と成田山公園を散歩したりして、門限まで、ほとんど部屋には居ませんでした。

境内には図書館や美術館があり、美術館の入館料は500円するのですが、断食修行をしている人は、無料で自由に出入りできました。

初日は図書館で、漫画の日本史を、図書館の閉館時間まで読みましたが、次の日は閉館していて、その次の日は、最後の宿泊だったので、図書館には行かず、境内と公園を散歩して回りました。

美術館は、絵画ではなく、たくさんの書が展示されていて、私には、とても難しかったです。

 

18時の門限のあとの部屋での過ごし方

初日、前日の夜行バスで眠れなかった私は、とにかく寝るしかない!と思い、布団に横になってみましたが、重たーい掛布団と、慣れない部屋と、家族以外の人と一緒の部屋で寝るという環境が、おそらく、子供の頃の修学旅行以来だったような、なかなか眠れませんでした。

本当に眠れませんでした。夜中の2時ぐらいまで眠れませんでした。

 

二日目も、眠れませんでした。

眠れないと思うと、余計に眠れなくなるので、部屋を出で廊下を歩き洗面のところまでやって来て、洗面の電気をつけ、冷たい床に毛布にくるまって座り、廊下の奥の突き当りにある本棚の本を、あらかじめ読もうと用意していて読みかけていたので、続きを読みました。

…眠れなかったので、読破してしまいました。

またまた、2時ごろまで起きていました。

 

タイトルは「食べない人たち」という本で、もう何年も何も食べていないか、ほとんど何も口にしていないけど、病気が治って健康になったり、元気な人たちのお話です。

こちらは、たった40数時間、食べずにいるだけで、眠れず、空腹で辛いのに…なぜこの本が、ここにあるのか、と考えました。

たった、3日や4日、長い人で6泊7日ぐらい食べなくても、ずっと食べていない人も、こうしているのだから、大したことはない!と、励ますためにこの道場に置いてあるのだろうか??と思いました。

 

3日目の門限、私は本棚から「般若心経/境野勝悟」”すべての悩みが小さく見えてくる”の本を手に取りました。

よし!今晩は、この本の気に入ったところや、良いところを書き写して帰ろう!と、思いました。

内容は、般若心経に出てくる一文字や単語の意味を、解説したものでした。

書き写した頃には、真っ新だった小さなノートは、あと数ページしか残っていませんでした。

12時ごろ、書き終えた私は、断食道場に来て、初めてすぐに眠りにつきました。

最後の夜に、ようやく眠れました。


4日目の朝の重湯

朝、御護摩祈祷が終わると、重湯と梅干しと焼味噌が振舞われました。

たっぷりと重湯をご用意していただき、私は、思わずお代わりをしました。

ずっと食べていなかったせいか、焼味噌と梅干しの塩気が、たまらず美味しく感じました。

焼味噌を重湯に溶かして、お味噌汁になりました。

 

4日ぶりに食べ物が、喉を通っていく…あれ?

急に体は、食べ物を受け付けないのかと思っていましたが、意外とすんなりと食べられて、とても美味しくいただきました。

3杯目もいけそうでしたが、何しろ4日ぶりの食事だったので、体がびっくりするかもしれないと思い、2杯で止めておきました。

 

最後の境内と公園の散歩

初日に、一緒に入堂した方も、初めてで3泊4日だったので、今日で終わりでした。

一緒にお堂や公園を散歩しました。

二人でのんびりと、1時間半ぐらいかけて、私お気に入りの鯉や、亀の池、水琴窟を回りました。

あー!これでもう、この景色も見れないんだなーっと、思いました。

 

ご不動様のご利益

部屋に戻り、昨日来られたばかりの二日目の方に、挨拶をして二人で部屋を出て、お寺の方に挨拶に行きました。

 

お寺の方に挨拶に行くと、部屋にとおされました。

お寺の方は、1週間ほど前に、息子さんが新勝寺で結婚式を挙げられたそうで、その写真をとても嬉しそうに見せてくれました。

 

お寺の方のご家族は、境内にあるお店を経営されていて、普段は、お店を手伝うことがほとんどない息子さんが、たまたま、お店を手伝いに来ていた時に、花嫁さんと出会われご結婚されたそうです。

新勝寺で出会い、新勝寺で結ばれるなんて、素敵なお話を聞かせていただきました。

ご不動様のご利益は、すごいなあと、最後の最後まで感じました。

 

3泊4日の断食修行の後の体重

アナログの大きな体重計に乗ると、3キロ弱、減っていました。

断食修行で、身も心もとても軽くなったような気がしました。

 

断食修行を終えても食べれない

一緒に4日間、断食していた方と、「なごみの米屋」の羊かんを買って帰ることになりました。

「なごみの米屋」は別棟で羊かん資料館をされていて、店舗の方は8時から開いていましたが、資料館の方は10時にならないと開かないので、買い物をして資料館のが開くのを待ちました。

お店には、羊かんなどの味見が、たくさん置いてありました。

もう一人の方は、ずっと食べていなかったから、味見は止めておくとおっしゃられましたが、私は、幾つか味見をしながら買い物をしました。

 

それでもさすがに、まともな食事は、大阪に帰るまで食べる気にはなりませんでした。

初日、帰りは無事に断食修行を終えたら、ご褒美に参道のうなぎ屋さんで、うなぎを食べて帰りたいなあ、と思っていましたが、断食修行の現実を分かっていませんでした。

万が一、成田で体調が悪くなって、大阪に帰れなくなったら怖いと思い、お寺を出てから、夜、大阪に着くまで一切ご飯を食べませんでした。

 

断食修行を終えて

とても、素晴らしい体験でした。

思い切って断食修行して、本当に良かったです。

ご不動様のご加護を、今も感じて感謝しております。

なかなか、新勝寺までは、お礼のお参りはいけないので、近々、成田山大阪別院明王院にお参りに行きたいと思っています。